〈いのち〉あるものは、〈いのち〉に引かれる。
「生きものが居場所に合わせて生きれば、居場所もまた生きものに合わせて変わる」という「相互誘導合致の法則」がそこで成り立つ。
昆虫と花の間にもそれは確かに成り立っていると見えるが、花の魅力の期間は短い。
「花のいのちはみじかくて、苦しいことのみ多かりき」と詩をよんだ人の心を思い、虫たちを魅了する「花の〈いのち〉」の妖しい魅力を、少しでも映すことができないだろうかと考えて、身近な花にレンズを向けてみた。
「39じゃもの花じゃもの」と、学生の頃に当時39歳の母から聞いて驚いたことがある。
花の〈いのち〉が終わりに近づくにしたがい、打ち上げ花火の最後のように、花の〈いのち〉がもっともはっきり表現されるのではないだろうか。