このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、 「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に 送付させていただいています。
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場の研究所 定例勉強会のご案内
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ホームページ:http://www.banokenkyujo.org/
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「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」
〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。
(清水博)
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■2020年1月のメールニュースをお届けいたします。
あけましておめでとうございます。
昨年は、会員をはじめ、場の研究所の様々なイベントにご参加
いただいた方、またいろいろサポートをしてくださった皆様に、
心から御礼申し上げます。
今年も場の研究所の各種活動に、ご参加いただければと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
◎昨年最後の勉強会は12月20日(金曜日)に開催しました。
場の研究所の勉強会は従来通り、15時からワイガヤ的に推進し、
哲学カフェのような雰囲気で議論がすすみました。
中心となって進めたメンバーのこばやしさんの議論の内容を
下記に掲載します。
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ここ何回かの15時からの勉強会では、「存在」について議論してきました。
「存在者」は理解しているが、「存在」を意識することが少ない時代に、大事なこととして考えたいと思います。
内容は2冊の本より抜粋した詩とその説明ですが。その資料の中には「存在」が感じられるものがあるはずで、本質は同じ所を指示しているように思います。参加の皆さんでまずは読んでみて、気に入った部分を議論しながら、「存在」について再度考えたいと思います。
◎資料は:1.若松英輔氏。2.奥村一郎氏の説明付きの詩と文章。
参加メンバーは夫々、気になった部分の意見を交わして、「存在」について、感じたことを議論しました。
清水先生からは、「高校時代に毎日、詩を書いていたが、これは経験として残り、当時の考え方が残る点は良かったと思う。」
また、「詩は人によって違うが、表現したい言葉がある。言いたいことが膨らみ、そのイメージに合わせて言葉がミートすると、相互誘導合致してそれに反応するのです。詩というのは居場所を描くもので、その状況を物理的、工学的にも描くが、それで、「存在」を描くことになるのです。居場所を直接描くのではなく存在しているモノを表現しているのです。」というコメントがありました。
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以上
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17時からは、清水所長の資料ベースの勉強会となりました。
勉強会テーマ:「〈いのち〉と意識」
今回の先生の資料は6ページあり、内容を改めたいからという
ことで参考資料扱いになり、口頭で説明が始まりました。
清水先生からは、これまでの生命科学はモノ(存在者)から
出発して科学的法則を追求することによって存在者としての
生命体とその生命を理解しようとしているが、場の研究所では
〈いのち〉から出発して生きものの存在(生きていくコト)を
理解していくことが目的であるという話があって、実はそれ
だけではなく、〈いのち〉は「意識」と一体のもので、意識の
解明を目指していると言われ、細胞から始まって、臓器、生物、
その集まり、生態系、そして地球に至るまでの大小さまざまな
居場所の〈いのち〉の存在するところには、常にそれに相当する
意識が存在していると話されました。それを以下のように要約
していただきました。
ここで〈いのち〉とは、生きものが自己の存在を継続的に維持
していく能動的な活きのことです。また意識とは、自己が生きて
存在していることを自覚する活きのことです。この自覚があって、
はじめて〈いのち〉がはたらくことになりますから、〈いのち〉と
意識は常に一体となってはたらくものです。
ですから意識は〈いのち〉の一面だと考えることができます。
このように考えると、〈いのち〉があれば意識があることになり
ますから、細胞にも意識があることになりますし、人びとが
居場所に〈いのち〉を与贈して、その居場所に居場所の〈いのち〉
(場)が自己組織的に生まれることは、その居場所に意識が自己
組織的に生まれることになります。
たとえば家庭では、家族の〈いのち〉の他にも、家族の居場所
としての家庭の〈いのち〉が生まれます。それは家族による家庭
への〈いのち〉の与贈と〈いのち〉の自己組織があって、家庭に
居場所としての〈いのち〉が生まれるからです。そのために、
家族は、それぞれの個人の〈いのち〉の他に、家庭の〈いのち〉
を自覚して生きていきます。そして、その〈いのち〉の自覚と
分けられない形で、それぞれの存在を意識し、また家庭の存在を
意識しながら、生活しているのです。
ただし、生きものは自己の〈いのち〉を与贈することによって
しか、〈いのち〉のつながりを明瞭に意識できないために、家族と
家庭、組織人と組織、民族と国家のような〈いのち〉の二重構造は
はっきり自覚できますが、それを越える〈いのち〉の重層的な
構造は明確には自覚できません。このことから、意識も意識の二重
構造の範囲で明確に自覚され、それを越えるとなかなか意識でき
ないことが、人間の知性の形であり、また限界であると言えるかも
知れません。そして、自己を構成している臓器や細胞の〈いのち〉
や意識の自覚については、明らかに限界があります。
居場所としての地球の未来について若い世代から厳しい要求が
社会に出ているのに、その要求にまともに応えずに、資本主義経済
を猛進する立場に立って、口先だけで若い世代の主張をいなして
いくような傾向が世界的に見られます。
しかし、この差が地球レベルの〈いのち〉に対する感性の差から
生まれる意識の差である可能性も否定できません。人間の個人の
〈いのち〉を中心において、そこから地球を見ているだけでは
終わらない問題がそこにもあるのではないでしょうか。もしも
あるとすれば、人間はどうすればよいのか?地球への〈いのち〉
の積極的な与贈しか、人間には方法が残されていないかもしれ
ません。そのためには、資本主義経済の形に代わって、〈いのち〉
の与贈を基盤にする「生活協同組合」のような形を地球レベルで
発展させていくことが必要になってくる可能性があります。
現代社会の生きにくさは、意識の形が個人中心的になって、
〈いのち〉の二重構造すら曖昧になっていることから生まれて
くると思われます。家庭においては、それがDVとして現れている
と思われます。〈いのち〉のオアシスとなるような居場所を
つくると、人びとが集まってくるのも、その居場所への〈いのち〉
の与贈によって、そこに生まれる二重構造的な意識を共有したい
からではないでしょうか?そこには、生きにくさから逃れる
積極的な方法が含まれているはずです。実際「〈いのち〉の即興劇」
の特徴は〈いのち〉の二重構造が意識の二重構造であることから、
深く理解することができます。
意識と感情とはつながっていて分離できませんから、感情を
入口として意識を橋渡しにして〈いのち〉にはたらきかけて、
人びとをその生きにくさや慢性的な病から助けていくという
「もう一つの科学」の基盤も、〈いのち〉と意識のつながりに
あると思います。
存在者と意識は切れた関係にあるのに、存在と意識は一つ
につながっているということに、場の研究所ではこれから目を
向けて、〈いのち〉から出発する重要さを訴えていきたいと
思います。〈いのち〉と意識のつながりは、深層意識(阿頼耶識)
を理解する入口にもなります。
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■2020年1月のイベント:「哲学カフェ」と「勉強会」について
・2020年1月の「哲学カフェ」は第2水曜日の1月8日です。
◎14時より17時
◎会費:2000円
◎参加申込方法と詳細:
下記「場の研究所の哲学カフェ」ページをご覧ください。
また、参加申込は、同ページ申込フォームよりお申込ください。
https://www.banokenkyujo.org/cafe/
・2020年1月の「勉強会」のご案内
従来通り、第3金曜日に北大塚の「場の研究所」で勉強会 を開催いたします。 ◎日時:2020年1月17日(金曜日) 15時から19時30分までの予定です。 (従来通り15時からワイガヤ的に議論を進めて17時より 勉強会を行います。) ◎勉強会テーマ: 仮題:「深層意識の世界を開く」
場所:特定非営利活動法人 場の研究所 住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3 Email:info@banokenkyujo.org 参加費:会員…5,000円 非会員…6,000円 申し込みについては、毎回予約をお願いいたします。 (なお、飛び入りのお断りはしておりません。)
■編集後記 12月の勉強会はテーマ「〈いのち〉と意識」で開催しました。
前半はこばやし研究員が「存在」について議論するということで、
「詩」二遍を紹介してくださり、参加メンバーと感じたことや
何が語られているかを、安在的な部分についても話会いました。
「存在」と「存在者」との理解に役だったと思います。
前半部分が終了した17時からの清水先生の勉強会は、清水先生
が用意された資料を参考にして口頭で説明していただきました。
「意識」という概念を新しく追加されてより更に深い内容だった
と思います。最後に参加の皆さんとQ&Aを行いましたが、大変
有意義な時間を過ごせたと思います。
ご参加の方ありがとうございました。
2020年1月は「哲学カフェ」を8日に、「勉強会」を第3金曜日の
17日には予定通り開催いたします。是非ご参加ください。
なお変更もあり得ますのでホームページを事前にご確認ください。
今年も「場の研究所」をよろしくお願いいたします。
定非営利活動法人 場の研究所 住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3 電話・FAX:03-5980-7222 Email:info@banokenkyujo.org ホームページ:http://www.banokenkyujo.org