このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に送付させていただいています。
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■場の研究所からのお知らせ
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10月になりました。
ようやく涼しい日が続いて、やっと長い夏が終了した感じになりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、9月は第3金曜日の9月20日に開催いたしました。
清水先生の「楽譜」のテーマは「場所的生命体としての地球」をでした。
ご参加くださった方々、ありがとうございました。
50回目という一つの区切りになる「ネットを介した勉強会」でしたが、約30名のご参加をいただき、お陰様で多くの議論ができました。感謝しております。
9月のテキスト(楽譜)の内容については、参加されなかった方も、このメールニュースを是非参考にして下さい。(オーケストラになぞらえて資料を「楽譜」と呼んでいます。)
なお、今月の勉強会も、第3金曜日の18日に開催予定です。
「地球の〈生命〉による価値の再調整と共存在」について議論したいと思います。
もし、勉強会について、ご感想・ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。今後の進め方に反映していきたいと思います。
contact.banokenkyujo@gmail.com
メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。
(場の研究所 前川泰久)
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◎2024年9月の「ネットを介した勉強会」の内容の紹介
第50回「ネットを介した勉強会」の楽譜 (清水 博先生作成)
★楽譜テーマ:『場所的生命体としての地球』
◇地球という場所的生命体における〈生命〉の循環
・個的生命体である人間や動植物は自己が生きてきた場所におけるさまざまな経験を自己の内部に取り込んで、自己を歴史的に発展させながら生きていく。そしてその場所における〈生命〉として存在する。
・そしてその死においては、〈生命〉の予約与贈循環によって、自己の〈生命〉を場所的世界である地球に与贈して、新しい個的生命体の生成を可能にしながら消えていくのである。
・場所的生命体における自己の消滅の歴史は、他方から見れば、新しい個体の生成の歴史になる。このことは、例えば森林の中を流れている河川が植物や動物の死体を海洋に運んで、そこに植物性や動物性のプランクトンを大量に発生させ、そしてそれを取り込んで、さまざまな魚や動物が海洋に生まれることによっても知られている。
・それは地球という場所的生命体における〈生命〉の循環の変化として歴史的な変化であり、このような〈生命〉の与贈循環は地球全体を舞台として広くまた深くおこなわれている。
・宗教を〈生命〉の科学と矛盾しない形で求めていけば、結局、地球における〈生命〉の予約与贈循環になるのではないかと、私(清水)は考えている。それは〈生命〉の予約与贈循環は〈いのち〉の与贈循環のように、自己がはたらいて得られるものではなく、謙虚に願って得られるものだからである。
◇〈生命〉の予約与贈循環について
・ところで、〈生命〉の予約与贈循環は誰でも願えば常に得られるものだろうか?
・それが可能なためには、場所的生命体が元気で生きていなければならないのではないかと私は思う。
・たとえば月に旅行した人が、月の表面で地球を見ながら死ぬことを考えると、その状態は宗教的には意味があるかも知れないが、他にさまざまな個的生命体が同時に存在していなければ、〈生命〉の与贈循環がおきるとは考えられないからである。
・そのことを考えると、私は場所的生命体としての地球という天体にも、生命体としての老化現象があり、〈いのち〉の歴史の始まりから場所的生命体が生命的に進化をし、現在は〈生命〉の予約与贈循環が可能な状態になっている。
・が、しかし人間の誤った生き方によって、現在すでに急速に老化しつつあり、最終的には死の世界である月のように、〈生命〉の与贈循環をささえる〈いのち〉の与贈循環の活きが存在できない状態になるのではないかと思っている。
◇資本主義経済の深化の必要性(与贈経済の創出)
・場所的生命体としての地球が老化していく前はその〈生命〉も若く、〈生命〉の予約与贈循環は柔軟に成り立つのである。その柔軟性のためには、生物進化によって多種多様な動植物(個的生命体)が共存在していることが必要で十分な条件であるように思われる。
・しかし、個的生命体(役者)の間の生存関係による生物進化よりも、地球という場所的生命体を舞台とする〈生命〉のドラマの創造力の深化が必要である。場所的生命体の若さとその創造力の間には、関係がある。
・したがって、単に多種多様な個的生命体が地球という舞台に存在すればよいということではない。〈生命〉の予約与贈循環に必要なのは役者の進化ではなく、舞台としての地球の〈生命〉の深化である。
・さまざまな個的生命体からの〈生命〉の与贈が場所的生命体の存在を支えているが、個的生命体による〈生命〉の与贈が衰えてくると、場所的生命体はその存在を元気に維持していくことが次第に困難になる。
・場所的生命体である地球が現在のように老化してきたのは、資本主義経済が進化の競争をして激しく変化をしている可能性があり、地球の〈生命〉の若さを維持していくためには、資本主義経済の深化(〈いのち〉や〈生命〉の地球への与贈を必要とする与贈経済の創出)がおそらく必要になっているのである。
(資料抜粋まとめ:前川泰久)
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◎2024年10月の「ネットを介した勉強会」開催について
最初にお知らせしましたように、次回は第3金曜日の10月18日(金曜日)に開催予定です。
開催に際しては、場の研究所スタッフと有志の方にご協力いただき、メーリングリスト(相互に一斉送信のできる電子メールの仕組み)を使った方法で、参加の方には事前にご連絡いたします。
この勉強会に参加することは相互誘導合致がどのように生まれて、どのように進行し、つながりがどのように生まれていくかを、自分自身で実践的に経験していくことになります。
参加される方には別途、進め方含め、こばやし研究員からご案内させていただき、勉強会の資料も送ります。(参加費は無料です。)
場の研究所としましては、コロナの状況を見ながら「ネットを介した勉強会」以外に「哲学カフェ」などのイベントの開催をして行きたいと考えています。もし決定した場合は臨時メールニュースやホームページで、ご案内いたします。
2024年10月1日
場の研究所 前川泰久