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場の研究所メールニュース 2024年11月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に送付させていただいています。

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■場の研究所からのお知らせ

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11月になりました。

急に寒い日が増えてきて、例年より遅めの紅葉の便りもやっと届きはじめました。

皆様、気温の変化が激しいので体調に気を付けてお過ごしください。

 

さて、10月は第3金曜日の10月18日に開催いたしました。

清水先生の「楽譜」のテーマは「実存生命〈生命〉の共創」でした。

約30名のご参加をいただき、多くの議論ができました。特に今回は余韻の時間にも議論が続けられ、時間的に余裕がなかった方々からのメッセージも届きました。大変感謝しております。

10月のテキスト(楽譜)の内容については、参加されなかった方も、このメールニュースを是非参考にして下さい。(オーケストラになぞらえて資料を「楽譜」と呼んでいます。)

 

なお、今月の勉強会は、予定の第3金曜日が15日となりますので時間的に余裕が少ないことから、第4金曜日の22日に開催いたします。

楽譜のテーマは「場と卵モデル」の予定です。

 

もし、勉強会について、ご感想・ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。今後の進め方に反映していきたいと思います。

contact.banokenkyujo@gmail.com

メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。

(場の研究所 前川泰久)

 

 

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◎2024年10月の「ネットを介した勉強会」の内容の紹介

 

 第51回「ネットを介した勉強会」の楽譜 (清水 博先生作成)

★楽譜テーマ:『実存生命〈生命〉の共創』

 

◇実存生命における自己自身の存在の意識について

・生きていない物体や道具は、それ(自己)自身が存在していることを認識(自覚)することはできない。

・私は、このこととは本質的に異なって、各生命体が持っている実存生命〈生命〉には、自己自身の存在を意識する活きがあると考えている。

・道具類がどれ程巧妙につくられていても、〈生命〉が存在しなければ、自己自身の存在を自覚する意識がないわけであるから、生命体(生きもの)とはその活きが根本的にことなっている。

・生命体の死は〈生命〉を永久に失うことである。

 

◇地球は生命体なのか?

・このことは、〈生命〉が生命体の存在に非常に特殊な活きを与えているということを意味している。

→したがって私たちの周囲にある道具(AIも含まれる)の性質に対する常識を〈生命〉をもっている生命体にそのまま延長して当てはめるわけにはいかないのである。

・このように考えると気になってくるのは、地球は生命体なのか、それとも異なるかということである。

・この問題は決して軽い問題ではないが、これまでは地球は地球としての〈生命〉は持っていないと考えられてきたのではないだろうか?

 

◇多様な個的生命体が共存在する場合の〈生命〉について

・そこで先ず問題になるのが多くの多様な動物や植物のような個的生命体が一つの場所に集まったときに、それぞれの間にどの様な変化がおきて、〈生命〉にどのような変化が生まれるかと言うことである。

・集まり方にもいろいろあるが、ここでは多様な個的生命体が共存在する場合の〈生命〉について考えてみることにする。

・先月の高山さんの腹腔における愛の存在の確認の話と、多様な臓器が調和的に共存在している腹腔の空間には場があって臓器を包んでいるのではないかというホリスティック医療の帯津良一さんの話を参考にして考えてみることにする。

・すると、一つの場所に多様な個的生命体が集まって、〈生命〉の与贈条件を充たすと、場所に多様な生命体の〈生命〉を包む愛が生まれ、その愛の場の活きによって、個的生命体による場所的生命体の〈生命〉の共創が自己組織的に生まれて、場所的生命体の生成と多様な個的生命体の共存在がおきるという説を考えることができるのではないかと思われる。

・場所的生命体の〈生命〉を共創したことによって、その場所にある多様な個的生命体の〈生命〉の存在も安定化する。

・この活きを別の角度から捉えると、多様な個的生命体による場所的生命体への〈生命〉の与贈循環ということになる。

 

◇場所的生命体の〈生命〉の継続について

・個的生命体からの〈生命〉の与贈が継続して続かなければ、場所的生命体の〈生命〉も継続的に続かず、場所的生命体は老化してしまう。

・場所的生命体の〈生命〉が継続されるためには、新しい個的生命体の〈生命〉が必要になるので、〈生命〉の与贈の活きを終えた個的生命体は死によって場所を去り、次の個的生命体に場所を譲る必要がある。

・死とは、自己の〈生命〉を手放すことである。それによって生命体として生きている意識を永久に失い、そして新しい個的生命体に個として〈生命〉を場所に与贈する役割を譲るのである。

・これが〈生命〉の予約与贈循環である。個的生命体の死後は、場所的生命体の活きによって、それぞれの〈生命〉の在り方が決まるのである。

 

◇共創を通じて生まれる愛の歓び

・大きな愛の場に包まれて死ぬことは、場所的生命体としての地球への自己の〈生命〉の与贈である。そこには共創を通じて生まれる愛の歓びがある。

・それは〈生命〉の与贈循環の活きであり、宗教的な歓びに通じるものである。

・しかし残念ながら現状では、この歓びの質も低下している。それは地球の〈生命〉の活きが弱まっていることを反映しているのである。

・その地球の変化は、世界的な気候変動を通じて、私たちそれぞれの〈生命〉によって感じられる。それは人間の認識不足のために、場所的生命体としての地球の〈生命〉の活きが老化して衰えていることを示しているのである。

 

◇場所的生命体としての地球の〈生命〉の衰え

・またこの場所的生命体としての地球の〈生命〉の衰えは、死を通じておこなわれる個人の〈生命〉の地球への与贈という厳しい予約の存在を、その〈生命〉を包む場所的生命体としての地球の大きな愛の活きを通じて、人々を実質的に納得させてきたさまざまな宗教にも大きな影響を与えて、その説得力を大きく奪っている。

・宗教の世界にも、見かけ以上の大きな変化がおきているのである。人々はそれぞれの救世主を実質的に失っているのである。

 

◇場の研究所の勉強会の使命

・このような状況の中で場の研究所の勉強会は、宗教とは異なる方法によって愛の場を人間の社会に広めて、個人の〈生命〉の地球への与贈価値を高めるという活きを実行してきた。

・たとえそれぞれの活きは小さくても、個的生命体の〈生命〉が愛を通じて地球に与贈されることに、地球の〈生命〉の共創という活きから見れば、大きな意義があるのである。

・場の研究所が愛の場の共創の活動を継続していくことは根本的な使命であり、特に現状では、非常に重要だと思う。

 

(資料抜粋まとめ:前川泰久)

 

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◎2024年11月の「ネットを介した勉強会」開催について

最初にお知らせしましたように、次回は第4金曜日の10月22日(金曜日)に開催予定です。

開催に際しては、場の研究所スタッフと有志の方にご協力いただき、メーリングリスト(相互に一斉送信のできる電子メールの仕組み)を使った方法で、参加の方には事前にご連絡いたします。

この勉強会に参加することは相互誘導合致がどのように生まれて、どのように進行し、つながりがどのように生まれていくかを、自分自身で実践的に経験していくことになります。

参加される方には別途、進め方含め、こばやし研究員からご案内させていただき、勉強会の資料も送ります。(参加費は無料です。)

 

場の研究所としましては、コロナの状況を見ながら「ネットを介した勉強会」以外に「哲学カフェ」などのイベントの開催をして行きたいと考えています。もし決定した場合は臨時メールニュースやホームページで、ご案内いたします。

 

2024年11月1日

場の研究所 前川泰久