このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に送付させていただいています。
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■場の研究所からのお知らせ
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皆様
3月になり桃の節句を過ぎ、春らしい日が来る気配がいたします。
しかし、急に関東までも雪が降り、気象の変動に危惧しています。
なお、メールニュースの配信が少々遅れました。申し訳ありません。
さて、2月の勉強会は従来通り、第3金曜日の21日勉強会が開催され、今年初めての皆さんと議論でき、大変有意義だったと思います。ご参加下さった方々ありがとうございました。
2月のテキスト(楽譜)の内容については、参加されなかった方も、このメールニュースを是非参考にして下さい。(オーケストラになぞらえて資料を「楽譜」と呼んでいます。)
なお、3月の勉強会は、従来通り第3金曜日の21日の予定です。
楽譜のテーマは『在ると持つ」の予定です。
もし、勉強会について、ご感想・ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。今後の進め方に反映していきたいと思います。
contact.banokenkyujo@gmail.com
メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。
(場の研究所 前川泰久)
◎2025年2月の「ネットを介した勉強会」の内容の紹介
第54回「ネットを介した勉強会」の楽譜 (清水 博先生作成)
★楽譜テーマ:『与贈と「勢い」』
◇戦争における勢いは止められなかったという発言。
・朝日新聞の今年の1月3日には、次のような記事があった。
1941年12月8日、日本はハワイの真珠湾やマレー半島を攻撃し、宣戦布告した。米英などに対する太平洋戦争の開戦である。
・45年の終戦後、昭和天皇は、初代宮内庁長官を務めた田島道治ら側近に対し、「勢い」「大勢」という言葉を使って「開戦は止められなかった」との発言を繰り返した。
・例えば50年12月26日。「兎に角軍部のやる事は真に無茶で、迚もあの時分の軍部の勢いは誰でも止め得られなかったと思う」。53年5月18日。「戦争を止めようと思ってもどうしても勢いに引きずられて了った」。
・ある学者は「勢い」を「水のようなもので、どちらかに向かうのを止めることはできない。力ずくで押さえ込むのではなく、進む方向を認識し、それに沿ったやり方で制御することが必要だ」という。
◇「勢い」は理性でも止められない
・「勢い」は日本の歴史に見られただけではなく、それ以前、1914年6月28日のことである。ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで、オーストリア=ハンガリーの皇位継承者とその妻を暗殺したセルビアの青年が発した二発の銃弾が最初は誰も大きな戦争を生み出すとは思っていなかったので、不安定になった「火」をやがて理性が消せると思っていたのだが、その不安的な状態から欧米全体を巻き込む「勢い」が次第に生まれて、第一次世界大戦にまで発展してしまった。
◇与贈循環が場所に起きる場合の理性の重要性
・〈いのち〉の場所への与贈は、卵モデルによれば、白身の流動を生み出すが、白身は流れているけれど黄身(理性)のコントロールを受けているので、その流れには秩序がある。
・そのために器全体の白身と黄身の間には相互誘導合致が生まれて、互いに影響し合うので、西田哲学の矛盾的自己同一「一即多、多即一」の状態が生まれるのである。
・私がいう与贈循環が器(場所)におきるのはこの状態である。〈いのち〉(白身)だけでなく、理性(黄身)もしっかりはたらいていなければ、私たち(場の研究所)が考えているような場は生まれない。ここは誤解されやすいところである。
◇「勢い」が場所(器)に生まれる状態について
・しかし白身への卵の〈いのち〉の与贈がある臨界点を超えると、白身の流れが自己触媒的に流れ自体を刺激にして激しくなっていき、黄身も一緒に押し流されるようになってしまい、黄身(理性)による流れのコントロールが効かなくなってしまう。
・「勢い」が場所(器)に生まれるのはこの状態である。
・器の中の黄身の活き(理性の力)で、この状態をコントロールすることはできないので、たとえば大戦によって大きな被害が生まれて戦争が終わり、白身の流れが止まるまでその流れを続けるしかよい方法はなさそうに思われる。
・「勢い」によって始められた大戦は、大きな災害によって世界(器)全体の状態が大きく変って終戦が生まれるまで継続するのである。
◇与贈と「勢い」を分けるのは人々の存在の安定性
・与贈と「勢い」を分けるのは、世界(器)における人々の存在の安定性である。
・仮に世界(器)における人々の存在が不安定だとすると、小さな刺激で生まれた場所(白身)の変化が元の状態に収まらず、そのまま拡大して黄身(理性)が制御できる範囲を越えてしまい、「勢い」が生まれていく。
・実際、第一世界大戦や第二次大戦の直前には、場所的存在状態が不安定になっていて、人々はその場所的な状態を変えるような刺激に非常に敏感になっていたのである。
・日本が米英に対して開戦した41年前には、青年将校による5・15事件や2・26事件などによって、日本の首都東京の場所的存在状態が不安定化していて、昭和天皇が話したように、一個の黄身として、天皇がその白身の流れが「勢い」になっていくのを止めようとしても、もう止めることができない状態にあったと思われる。
・現在、ロシア(プーチン)、中国(習)、アメリカ(トランプ)が世界に生み出している存在の不安定性は非常に大きくなっているので、周囲の小国にも深刻な影響をもたらしている。
・その影響の一つの例が韓国における大統領の問題である。
・先ずはロシア、中国、アメリカの間にどのような関係が生まれるかによって、第三次世界大戦にまで発展するような白身の状態(「勢い」)が生まれるような存在の不安定性が場所(世界)に現れるかどうかが決まるのである。
◇トランプが場所的不安定性を強めるか弱めるかが今後の課題
・アメリカで生まれているトランプ新大統領による大きな急激の変化に世界の多くの国々の人々が同調していくことが地球という器に「勢い」を生み出すのか、あるいは現在生み出されている大国による不安定性を逆に消すようにはたらくのか、目を離すことができない。
・具体的には、トランプの関税という手段が存在の場所的不安定性を強めるのか、それとも弱めるのか。しばらく見ていく必要があると思う。
◇地球の場所的な不安定の状態を変えることができるか?
・トランプが考えている安定性はアメリカを中心にした場所的安定性であるが、そのことが地球全体の場所的安定性になるのか、例えば彼がパリ協定を正面から否定していくことから考えても、疑問がある。
・ただトランプの「経済的な損得の取り引き」という手段が、現在、ロシアや中国、そしてアメリカなどの大国によって生み出されている地球の場所的な不安定の状態を変えるということは可能性としてあるのではないかと思う。
・最後には、中国とアメリカの「取り引き」になりそうです。
(資料抜粋まとめ:前川泰久)