場の研究所で使われる特徴的なことばについて



場の研究所で使われる代表的なことば

  〈いのち〉:個人のなかで自己の存在を続けるように活いて(はたらいて)いる能動的な生命力のこと

与贈(よぞう):直接的な見返りを期待することなく、自分たちが生活していく居場所に与え贈っていくこと

   自己組織:外から動かされなくても、自分で動いて自然につながるということ



*1

『居場所における〈いのち〉の与贈』と『自己組織によって生まれる場の活き(はたらき)』

〈いのち〉を居場所に与贈すると、“与贈された〈いのち〉”に自己組織力が生じて、「居場所の〈いのち〉が新しく生まれます。

すると、その「居場所の〈いのち〉」の活きは、“場”となります。

その“場”が、様々な人々を包み、一緒に前向きに生きていく力(与贈力)をその人々に与えます。

この画期的な事実が、東日本大震災の直後に、場の研究所で発見されたのです。

この事実は、ボランティア活動によっても、広く支持されています。そして、「居場所への与贈」は、これからの世界を広く変えていく力となります。

 

対して、多様な文化的背景や価値観をもつ人々が、同じ居場所で、直接、自己組織的につながる方法は、少し居場所が大きくなるとうまくいかないことが、過去の「自己組織論の社会的応用」の研究*によって、既に明らかになっています。

 

 

本の紹介:(清水 博『コペルニクスの鏡』平凡社/清水 博『〈いのち〉の普遍学』春秋社/清水 博『〈いのち〉の自己組織』東大出版会)

過去の「自己組織論の社会的応用」の研究:清水自身の本も含めて、多数の本や論文が出ています。たとえば、今田高俊『自己組織性と社会』(東大出版会)


*2

『〈いのち〉の自己組織による場』

日本文化は場の文化であると言われてきました。しかしその裏には、日本民族が一様な価値観をもっていることが前提となってきたところがあります。したがって、いま世界が迎えている多様な価値観を持つ人々の時代に、場の文化が重要な活きをするためには、多様な価値観を持つ人々を包んで地球に共存させることができる新しい場のつくり方が必要になります。

それが「〈いのち〉の自己組織による場」という場の新しいつくり方なのです。

そのために、家庭、学校、企業、地域社会、国、地球など、さまざまな大きさの居場所で、この新しい場のつくり方を活用していくことが必要になっています。


*3

『〈いのち〉と場の哲学』

これからの時代に人々は、どのように生きていったらよいのでしょうか。

もうこれまでのように、これまで続いてきた西欧近代の物質文明を未来へ延長していくだけでは、生きていけません。多様な人々が自分中心的な欲望から生まれる対立を超え、そしてさらに様々な生き物や地球環境と調和して共存できる居場所をつくっていくことがどうしても必要です。

また私たち個人の人生の日々の一歩々々は、この大きな目標に、どのように具体的に関わり合っていけばよいのでしょうか。そのことを個人々々が自分の生きたい生き方に応じて発見し、そして自己を教育していかなければならない「哲学の時代」が来ています。

場の研究所では、様々な考えの人々が集まって「〈いのち〉の与贈と自己組織される居場所の場」を大きな方針として互いに語り合い、そこで個人々々の哲学を発見していくことを目標にしています。


*4

『新しい「場の思想」』

これまでのように同じ価値観に縛られることなく、様々な価値観を持つ人々が同じ居場所において一緒に調和的に生活していくことができる「〈いのち〉と新しい場」の哲学に基づく新しい思想です。

上記(*3)のように個人々々が自分の考えを語り合い、それぞれの哲学を発見していく課程で、様々な人々が一緒に居場所に生活するために必要な新しい場の思想を深く理解し、発見していくことになります。


*5

『個人としての経済/〈いのち〉の自己組織を伴う循環によって地球に生まれる経済』

「個人としてのそれぞれの生活の重要さ」と、「様々な考えを持つ個人が同じ居場所に生活していくことの重要さ」とを共に支えることができる経済の形を発見していくことが必要になっています。

そしてそれは、地域社会や地球において自己組織を伴う〈いのち〉の循環*によって生まれる経済の形をとるであろうと予想されます。

ここで重要なことは、生物進化が競争を基盤にしていることからわかるように、〈いのち〉の間にどんなつながりを作るかについて、〈いのち〉の自己組織の基盤には「見えない競争」があるということです。自己の我欲を満たすために過度の競争をしないことはもちろん必要ですが、全くの無競争から調和や秩序が生まれることはありません。よいものを選ぶための競争は必要です。

 

〈いのち〉の循環:*1で説明されている、〈いのち〉が個人から居場所へ、そして、また、居場所から個人へと与贈によってめぐることを指している。


*6

『地球において循環的に「活く(はたらく)」人間の存在のあり方』

居場所としての地球にも、自己組織された「居場所の〈いのち〉」が存在します。

そしてその〈いのち〉の場に包まれてきたことが、人類の現在の繁栄をもたらしているのです。

しかし人類は、近代文明以降その居場所の〈いのち〉を壊す「地球のがん細胞」のように地球に存在してきました。

その結果、地球はすでに危機的な状態に追い込まれています。

ここで「〈いのち〉の与贈と自己組織されるその〈いのち〉の循環」をもとにする“新しい場の文明”によって、“居場所としての地球の〈いのち〉を回復させる与贈循環の形”に、人間の存在が変わることが望まれます。そのために私たちの生活の形を可能なところから急いで変えていく必要があるのです。



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場の研究所では、毎月一度、「居場所における〈いのち〉と場の理論とその技術」に関する「勉強会」を行なっています。

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